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平成29年7月度 皇室典範特例法の成立

国民的議論の深化望まれ、早期公表をご決断

背景

平成28年(2016年)7月13日に今上陛下に御退位のご意向があることが報じられ、翌8月8日には御自身のお気持ちを国民へのビデオメッセージという形で表明されました。

現行皇室典範では皇位継承は崩御の場合に限られています。 陛下は癌や心臓の手術を経験されましたが、喫緊の健康問題はお持ちではなく、昨年の誕生日会見で「年齢というものを感じる」と述べられましたが、公務への意欲は一向に衰えておりません。 陛下は今までも体力が低下して公務を十分に果たせなくなれば退位も辞さないとのお考えを周囲に漏らされてきました。 『生前退位』のお気持ちを公表された背景には、《象徴天皇は活動が伴ってこそであり、活動が全うできなくなればその地位にふさわしくない》との一貫したご姿勢があります。

退位法案の閣議決定〜成立

陛下のお気持ちの表明をもって皇室典範の整備を行えば、天皇の政治活動を禁じた憲法第四条に抵触する恐れがあります。陛下の深いご心労を知った国民世論の高まりと併せ、政府による有識者会議での議論を踏まえて、安倍総理大臣は、「政府としては、国会の議論の取りまとめを踏まえ、有識者会議での最終報告を参考としつつ天皇陛下の退位を実現する法案の立案を進め、速やかに国会に提出できるよう全力を尽くしたい」と述べ、『天皇の退位等に関する皇室典範特例法案』は5月19日に閣議決定し国会に提出されました。

通常、法案提出が国会論戦のスタートですが、この法案では仕上げの作業となりました。それは『天皇の地位は国民の総意に基づく』と規定しているため、事前に衆参両院の正副議長を中心に多くの政党の賛同を得る形で『国会の考え』をまとめ、法案を提出する異例の形となったからです。『国民の総意』とするには、公の場で審議し、国民の理解と納得を得る作業が欠かせません。

今回の退位は例外措置であっても、各党は一連の取り組みが将来の天皇退位の先例になり得ると言う認識で一致しています。つまり今回の議論は、歴史の検証に耐えうるものにしなければならないのです。

この法律は第193回国会で、衆議院を6月2日に、参議院は6月9日の本会議でそれぞれ自由党が退席する中、全会一致で可決・成立しました。

衆議院、参議院ともに政府に対して「女性宮家の創設」や「安定的な皇位継承」について法律施行後速やかに検討し、元号を改める場合は、国民生活に支障が出ないよう万全の配慮を行うことを求める附帯決議の採択がなされました。

皇室典範特例法は、平成29年(2017年)6月16日に公布されました。